MUTTER

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「表では泣き 裏では泣く」
この世代に在りがちなシチュエーションを
君は唯 純粋(まっすぐ)貫き
今やっと 膝を折るに至ったのだろう
 
「無理するな」とは云えない
君の努力を卑下しない為に
 
何一つ信じ難い世界で
唯自分と僕を信じてた君に
決して届かない呟きを
決して届かないように零すんだ
 
君は 君という奴は
いつまでも僕を拒み続け
君は 君という奴は
最後まで僕に寄り添い続けた
 
あの日抱き締めた温もりが
消える前にやることがある
 
唯一つの願いも届かずに
それでも祈ることを止めることなく
明日と自分を抱き締め続けた
君に普通に感動しています
 
共に歩んだ日々が
一片も濁らないように
 
共に歩んだ道が
決して果てないように
 
唯僕は 唯僕は
祈りにも似た呟きを零すのです
 
 
「いつか君が本気で笑えますように」