強さ


「バガボンド」という漫画がある。

あの宮本武蔵の生涯を綴った元作をもとに、素晴らしいイラストで描きあげられている。

私も愛読者の一人で、購入初日などは台詞を覚えるくらいに何度も読み返す。

カッコいい、といった簡単なものから、言葉で表記することのできないわだかまりのような感情まで、いろいろなものを「バガボンド」は私にくれる。

それが楽しくて購読していたりする。

手段の為には目的を選ばない、といった感じであろうか。

宮本はやはり強い。

腕っ節だけではない。

意中の女性を避けてでも夢を追う、といった強さがある。

私には決してない強さであるが、だからこそ惹かれるのだろう。

では、私はそれを求めるのか?と言うと違う。

強くなりたくないのか?という問いにも首肯できない。

求めるものとは違うのだ。

愛する人は誰にだっている。

肉親は勿論、他人を愛することなんてしょっちゅうだ。

常だ。

ならば、その人の為に、私はなにをしてあげられるだろうか。

なにをしてあげればいいのか?

「そうやって想う事だよ」という人もいる。

「傍にいてあげることだよ」という人もいる。

当然、それぞれだろう。

それが自然だ。

だから、他人の意見を批判してはいけない。

私には相当しなくとも、彼らにしてみれば花丸なのだ。

人は時として情でなければいけないし、引でなければならないし、気でいくべき時が必ず在ると想う。

それを手放しで見極められ、誰かの為になにかをする。

それが、今の所の、理想像である。

ほら、こんなことばかり考えているから、安易な恋愛ができなくなるのだ。


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