荒船山    

 ほぼ水平の草原・林が続き、直角に断崖となって落ちているという非常に印象的な山容をほこる、長野県境に位置している山。標高1423メートル。ちなみに標高が最高なのは、左側にちょこんと乗っている三角形の京塚(きょうづか)。絶壁部から京塚山頂まで約30分。

ベストシーズン

 5月末〜6月初め。はでさはないが、コナシ・マユミがいっせいに花をつけ、ツツジの赤が彩りを添える。ここかしこに大きなワラビも見える。

登山ルート

 よく知られた山なので、秋の行楽シーズンなど団体バスで来るほど。以下、現在ではほとんど利用されることはないが、西上州の山を(天気がよければ)満喫できるルートを2つ紹介する。

1 黒瀧(くろだき)山ルート(上級)山の荒々しさを実感!!

 黒瀧山不動寺から荒船山頂の京塚に至るルート。道はよくなったと同寺の住職は豪語しているが?? 毛無(けなし)岩のような変わった山も途中で楽しめる。できるだけ早く出発したいので、宿は同寺にとるとよい。朝7時に同寺を出発し、昼食を絶壁の上で、3時に星尾部落というのが健脚の人の歩き方。

2 田口(たぐち)峠ルート(中級以上)立岩やローソク岩の姿がすばらしい

 南牧村から長野県佐久町に抜ける田口峠の峠のトンネルより、1つ手前のトンネルの入り口近くに右に折れる林道がある。この林道を少し進んだところで車を捨て、あとはほぼ水平の曲がりくねった林道を歩く。初めのうちはけっこう良い道だが、途中から草ぼうぼうのヤブコギに近い状態になる。1〜1.5時間歩いてやっと登り。登り道はきれいな清流沿いで、比較的歩きやすい。トチの巨木におおわれていて気持ちがよい。約1時間で星尾峠。ここからは、木の杭で階段状になった道か、腰まである笹竹の中の道を登って行くことになる。距離は短いがきつい。登りきったところで、右の尾根伝いに約15分で頂上の京塚。そのまままっすぐ下り坂を進むと絶壁(とも)。これも約15分。