「近騎戦車兵の記録」

                 内容紹介

 関東大震災の年に生まれ、世界恐慌の中、小学校へ入り、十五年戦争へ拡大とともに成長した。

 山村の生活、騎兵の教育、陸軍最後の観兵式、望んで転科した戦車隊の下士官候補者の教育、軍隊内の日常生活。度重なる激しい空襲を体験、防空壕堀りに明け暮れ。

 八月十五日の未明に下った出動命令、ポツダム宣言受託の録音放送、そして帝国陸軍の解散。

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 戦後半世紀、人々の記憶の風化と、事実を歪曲した記録等、時に目を覆いたいこともある。

 近衛騎兵連隊内に、昭和十九年七月創設。翌二十年八月一五日未明、弾薬、燃料を満載、上装衣服着用の出動命令に死を覚悟。

 優れた装備、歴戦の精鋭だが、重大な任務故に極秘の存在。終戦史に載る事もない幻の戦車隊と、宮城事件。そして帝都を灰燼と化した、二大節と二記念日を中心とした大空襲の事実と、戦争と死に直面した若者の姿を、後世に伝えるべきつたない手記である。

 

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