鹿嶽(かなたけ)  

 独特の姿をした岩山。高崎や前橋からも、関東平野の向こうに隣の四ツ又山と並んで見ることができる。その場合は、いわば横からのながめになるのだが、上信電鉄下仁田駅周辺から見るのが一番よい。特に夕方のシルエットはすばらしいので、天気にめぐまれた日なら、登山の帰りにぜひ楽しんでください。

 しかし、なんといっても鹿嶽の魅力は正面からの姿。これは大塩沢集落から楽しめる。ちなみに正面にあるのは一の岳で、後ろのやや幅広なのが二の岳。標高は二の岳のほうがじゃっかん高い(1015メートル)。

山頂から 鹿岳の魅力は、姿だけでなく山頂からのながめにもある。眼下に広がる緑、みどり、ミドリ。これが秋になるといっせいに紅葉し、みごととしか言いようがない。

登山ルート いくつもルートはあるが、歩きやすいのは、大久保集落から入るもの。村道から右の沢に入る橋をわたって200メートルほど行くと、車が数台とめられる場所がある。ここから歩き始める。数百メートル歩くと四又山へ至るものとの分岐点。ここを左に曲がり、山道を進む。鹿岳側からの斜面と、四ツ又山からの斜面が合流する部分(マメガタ峠)が当面の目標。マメガタ峠から左の杉林の中の細道に進む。けっこう急坂。その後、雑木が茂る尾根道。目の前には一の岳の大岩が迫ってくる。大岩の下を右側に回り込んで登ると一の岳と二の岳の中間地点でもある尾根にたどりつく。左へ行けば一の岳、右へ行けば二の岳。

 大勢の人が利用しているもう一つのルートが下高原(しもたかはら)から入るもの。最初のうちはほとんど杉林で、後半はほとんど一直線の登り。砂道なので、足がずるずると流れ、猛烈にきつい。雑木林を楽しむということもできないので、あまりおすすめではない。