幕岩(まくいわ)

 小塩沢(こしおざわ)集落を上流方向に歩くと、常に左手前方に見えている姿のよい岩山(標高約800メートル)。それなのに登山者の姿がまったく見られないのは、過疎集落のため部外者の目につくことがないことと、三角点等の地図上の要地になっていないためか。ちなみに、この付近の三角点は向かいの富士浅間(ふじせんげん)山。ここにはときたま登山者があるが、ルートもなく、何の変哲もない山なので、行ってもしかたがない。


ベストシーズン

 四月下旬〜5月上旬。ピンクのヒトツバナ、紫がかったイワツツジ、真っ赤なヤマツツジの三種のツツジがみごと。特に日当たりのよい斜面の雑木林の中でいっせいに花をつけるイワツツジはすばらしい。(そういう場所を探し当てることができればですが)

登山ルート

 正面から登るルートはない(この山に登る人がない理由のひとつなのかもしれない)。黒瀧(くろだき)山不動寺に行き、そこから尾根伝いに、すなわち裏側から回り込む。途中の五老峰(ごろうほう)は、切り立った狭い断崖の上を鎖をたよりにわたらなければならず、また長いはしご登りとスリル満点。ここを過ぎると、あとは歩きやすい道になる。観音岩を経て尾根道を歩く。周囲には南牧の山々が連なり、谷底に人家が点在し、一種独特のながめを楽しめる。

セールスポイント

 観音岩周辺からの眺めは、おそらく南牧一だろう。左に鹿岳、四ツ又、妙義山もよく見える。前方の高いのは稲含。小沢岳、上野村との境をなす山々。点在する集落・・・